肇の日記帳

日々の記録

『映画 賭ケグルイ』の感想

 長きに渡り感想を書いてきた実写版賭ケグルイシリーズ。ついに今回で最終回。今回は『映画 賭ケグルイ』の感想を書いていこうと思います。つい先ほど観終わったばかりなので出来立てホカホカの感想です。

 

 話の導入としては現生徒会に反対する組織ヴィレッジを生徒会が目障りに感じ、蛇喰夢子共々排除しようと計画するところから始まります。生徒会はその計画のため、全校生徒を対象とした「生徒代表指名選挙」を宣言。二人人組で参加し、不参加は即時退学、生徒代表に選ばれた者には三億円と自身の将来を自由に設計できる「人生計画表・白」が与えられるという内容です。夢子は鈴井と、芽亜里は木渡と、そしてヴィレッジからは歩火樹絵里と犬八十夢がペアを組んで選挙に挑むという流れです。

 

 ドラマ版Season2の最後の方で登場したヴィレッジとそれに所属する歩火、犬八、そしてヴィレッジを治める村雨天音がどういうキャラクターなのかがようやくわかりました。ドラマ版の感想でも書いたような気がしますが、やはり劇場版用に引っ張るのはちょっとよくないかなぁ。全ていいキャラクターではありますが、劇場版から登場させても問題なかったような......

 

 ドラマ版からの構成についてはこれくらいにして劇場版の内容にか関して書いていきます。劇場版で行われるギャンブルは2つ。一つは生徒代表指名選挙予選で行われる票争奪ジャンケン、もう一つは準決勝、決勝で行われる支持率争奪ゲームです。

 

 票争奪じゃんけんは参加者一人ずつに一枚ジャンケンの手の内どれか一つが描かれたカードが渡されます。それを用いてジャンケンをし、勝利すれば相手のカードを全て獲得できるというルール。勝利条件は手持ちのカードが合計二十枚以上になること。敗北条件は手持ちのカードが無くなること。

 

 さて、ルールを聞いた段階で頭の中を過ぎる「限定ジャンケン」の六文字。やや怪しい雰囲気を感じ取りながら観ていましたが、ちょっとインパクトが弱いかなといった感想。芽亜里・木渡ペアがゲームの必勝法的な形を解説してくれますが、「うん、そうだよね」といった感じで、とりわけ「おお、そんな方法があったのか」とはなりませんでした。夢子・鈴井ペアの作戦もなんとなく予想できちゃうのがちょっとね。あと夢子・鈴井ペアの作戦は運要素が絡みすぎですね。運否天賦が好きな夢子だからと言われたらもはや納得するしかないですが、現実的な作戦ではないですよね。そういう点含めて微妙なギャンブルだったかな。

 

 良かった点は木渡のオーバーリアクションかな。なかなか嫌いになれないのですよ。ああいううざったいリアクション。やられる身になったらムカつきますけど、観ているぶんには大歓迎です。

 

 続く支持率争奪ゲームは二組みのペアで対戦するゲーム。このゲームは二つの要素で成り立っています。一つはデュアルクラッシュ・ポーカーというゲーム。このゲームは現実でも発売されているので、ルール等はそちらにお任せ。

 

oinkgms.com

 

もう一つは生徒による投票率。ゲーム開始前からどちらからが三勝するまで投票が行われ、デュアルクラッシュ・ポーカーの勝ち点に投票率をかけた値がそのペアの得点となります。

 

 デュアルクラッシュ・ポーカーはオインクゲームズというボードゲームを作成しているゲームとだけあって、ゲーム自体の完成度はとても高いと思いました。が、ストーリー展開はというと票争奪ジャンケンよりかはマシだけれどといった感じかなぁ。

 

 夢子・鈴井ペアは準決勝で伊月・薬師寺ペアと戦います。伊月の票操作は想定されましたが、やるなら仮にポーカーで負け越したとしても勝てるまで操作するべきですよ。何故か中途半端に操作した結果があの敗北という。ドラマ版Season2で見せた人生を賭けるというあの姿勢と覚悟は何処へ行ってしまったのか......

 

 同じく準決勝、芽亜里・木渡ペアは歩火そして犬八に変わって参加した村雨ペアとの対戦。村雨は過去に生徒会長に勝利したという実績があるのですが、確かに強い。というかこの人だけ能力的なものを持っています。何か世界観がやや違うような気もしなくはないですが、別に超能力とかそういう類ではないのでセーフかな。村雨の能力によって芽亜里・木渡ペアは呆気なく敗北。そしていつものオーバーリアクション。ここも良かった。

 

 そして決勝戦。ここで夢子が歩火の計画を暴きます。そして勃発する生徒会とヴィレッジのリアルファイト。ドラマ版でもオープニング映像に鈴井が戦っている場面が写っていますが、ギャンブルメインのこの漫画に暴力シーン入りますかね。嘘喰いみたく、暴力も作品一部として描くギャンブル漫画ならわかりますが、賭ケグルイはちょっと違うよなぁ。少なくともドラマ版の内容では違和感があります。撮り方も何かチープに感じてしまってどうもねぇ。

 

 決勝の結果に関しては一応伏せておきます。決勝で輝いていたのは鈴井かなぁ。絶対に負けたくないという空気を全く読んでいない感じが最高でした。確かに後々の作戦を聞いていなかったら私もああならざるを得ないとは思いますが。最終的に彼が幸せになれて良かったと思います。これからも頑張れ、鈴井!

 

 でエンディング。エンディングでちょっとした遊び要素があるわけですが、夢子の発言、それはちょいとチャレンジャブルすぎやしないかと。もしかしたら人によっては「この映画がな」と感じてしまうかもしれませんからね。なんであんなセリフ入れたんだろう......

 

 という感じで駆け足で思いつく限りに書いてみました。総評としては星五点中三点くらいかなぁ。決してつまらない作品ではないと思います。が、描かれるギャンブルの結末が推測できてしまうのはちょっとなぁといった感じ。代わり映えはしないかもしれないですが、一つのギャンブルに絞って色々な伏線を張って、最後に回収みたいな方がギャンブル的には盛り上がるような気がします。ドラマ版含めてどれも短いんですよね。時間的制約があるのはわかりますが、やはり盛り上がりに欠けるギャンブルが多いかなと。

 

 ただし役者陣はドラマ版に引き続きとても良い演技だなぁと感じました。特に歩火役の福原遥さん。最後のあたりの狂気じみた演技は良かったなぁ。他の出演陣、特にギャンブル参加したメンバーも同様のことが言えますが。もし続編が作れるなら作って欲しなぁ。オリジナルでも原作準拠でもどちらでも構いません。

 

 長きに渡る実写版 賭ケグルイに関しての感想はこれにて終幕です。何かドラマが観たいというところから始まりましたが、見事に一作品にハマりましたね。良かった良かった。今後もこういう感じでドラマや映画を観たら都度感想を書いていけたら良いなと思いました。今後も頑張っていこう。

 

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